コーチは時系列で核心に迫る
コーチは時系列で核心に迫る
ワクワクの仕掛け人、マーケティングコーチの岩井洋美です。
断捨離。
無駄な物、不要な物を捨ててスッキリ暮らそうという処世術。
もはや、「それって何?」って言われなくなるほど超メジャー級になりましたね。
最近では物を捨てることだけではなく、仕事の整理や人との関係や自分の気持ちを
整理すること、決断することにも使われるようになってきました。
そんなに必要でもないのに、なんとなく溜め込んだ物。
これなら、ごみ箱に「ポイ」で済みます。
自分なりの思い入れがある物、思い出が詰まった物。これはちょっとやっかい。
思い切ってゴミ箱に「エイ!」とでもやらないと。
でも、捨てるのに形がないものを断捨離するとなると…。
彼女はとても悩んでいました・・・落ち込むぐらい。
「これまで仕事上大事な関係があった女性とのつながりを断ち切った方がよいのでは?」
と思い始めていたからです。
関係を断ち切ることで済むなら簡単。
でも、この人との関係を断ち切ることで生じるかもしれない問題、
これが彼女を悩ませていました。
- これまでずっと信頼してたのに・・・(こんな人だったとはがっかり)
- 関係を切ったら、自分のお客さんにまで迷惑がかかるかも・・・(それだけは避けたい)
- 自分を頼りにしてくれていた後輩はどうなる・・・(申し訳ない)
- 自分の仕事もちょっと困るかもしれない・・・(でもなんとかなるか)
- でも、彼女との仕事は無理・・・(信念は曲げられない)
コーチとして私は彼女に聞きました。
「自分が望むか、望まないか」「自分がやりたいか、やりたくないか」
これだけを基準に考えたら、今抱えている問題はどうなりますか?
- 自分にできるか、できないか
- 自分の得になるか、損になるか
- お金が儲かるか、儲からないか
そういう感情や計算は全て捨てて考えてもらいました。
彼女が出した答え。それは、懸案の彼女との関係を細々と続ける。
「たった、それだけのこと?」「捨ててないじゃない!」
と思わないでください。
状況としては何も変わっていないように見えます。
結果的に「関係を断つ」という断捨離はできませんでした。
ただ、その女性に対するこれまでの気持ちを捨てました。
彼女にとって、これは関係を断ち切るのと同じぐらいの気持ちの変化が生れました。
つまり、彼女の解決方法は、
- 今までの気持ちをいったん捨てて、新たな心構えを持つ
その結果、
- 「やりたい」という気持ちをベースに今までよりも細い関係を続ける
というもの。
そういう意味では、すべてをキッパリ捨てる断捨離ではなく、
意味付けを変える断捨離=捨てない断捨離
と言えるかもしれません。
今すぐに捨てられないのなら、それでも良い。
きっぱり捨てられる時が来てからでも良いと思います。
大事なことは、現在だけでなく、過去を振り返り、
未来に気持ちを向けることで、抱えている問題に向き合うこと。
時にコーチは、過去・現在・未来と時間軸を振りながら質問をして
問題の核心に迫って行きます。
自分のやりたいという気持ちに沿って仕事に邁進すると決めた彼女。
もう1つ決めていることがあります。
「捨てない断捨離の期間は来年3月まで」ということです。